ふむふむ

文法も構成も内容も気にせず、1時間で書くブログ

「編集」ってなんだろう?

「編集ってなんだろう?」としょっちゅう考えるけれど、いつも暫定的な答えしか出せない。会社の面接のときも「編集において大切なことは何だと思うか?」という質問を受けたが、その回答にはあまり納得はしていない。

当時、僕が答えたのは以下のような内容だ。

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編集において大事なのは「80点以上を取り続けること」です。記事1つ1つに得点が付けられると仮定して、その平均が80点以上になるようにすること。メディアの目的を果たし、読者のニーズを満たし、情報に誤りがなく、文法上の問題や誤字脱字などがない状態が80点くらいなのかなと。もちろん、100点、120点を目指していくのは当たり前なんですけど、100点以上のものはそう簡単には出ません。
 
もし仮に普段90点近く取り続けていても、ある1つの記事が炎上すれば、それが-1000000点になってメディアとしての平均点が30点くらいになることもあります。時間があまり取れないようであれば、70点、60点……と気付かぬ内にどんどん平均点が下がっていくこともあります。なので、常に「この記事は80点以上取れているか(マイナスにならないか)?」という意識を持って、記事を編集・確認していくことが重要なんじゃないかなと思います。
 
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たしかに編集をうまく表している部分もあるかもしれないが、あまり本質的な内容ではないなと。「で、編集って何のためのものなの?」「100点以上の編集になるためにはどうすればいいの?」と聞かれたらうまく答えられる自信がない。

2年ほど編集に携わっている友人は、「編集はレシピだ」と言っていた。何を作るか(テーマ)を決めて、どの食材を選び(ネタ、あるいは、リソース)、どんな風に調理し(切り口・企画)、どう盛り付けるか(見せ方・届け方)を考えるのが編集だ、と。これも編集をうまく言い表していると思う。でも、結局良いレシピってなんなんだろう。

僕はずっと「編集」の輪郭をなぞっているだけで、その正体をちゃんと掴めていないのだ。「これこそが編集だ」と思えるものが見つかったとしても、1カ月もしないうちに「これはどうなんだろう?」と疑念が湧いて、ぐるぐる堂々巡りをする。これはもう数え切れないほどある。
 
だから、もう諦めた。僕には「編集」がわからないから、素直にいろんな人の「編集」を聞いてみようと。そんな風に思っていた矢先、こんな記事がTLに流れてきた。

note.mu 


記事の内容は、フリーのライター・編集者として働いているくいしんさんが、自身の編集ブティックを立ち上げるというもの。この記事のなかで、こんな文章があった。
 
僕らにはまだ「編集とはなにか」その答えが完璧には見つかっていない。それはことによると永遠に解けない謎かもしれない。だが、希望はある。僕らは貪欲に、あくまで地道に謙虚に、その地平を進むことをやめない。


「あぁ、そうだよな」と思った。

自分よりも遥か先に進んでいる編集者ですらわからない。それくらい「編集」というものは、多様な意味を持ち、変化していくものだ。でも、少しずつその輪郭や感触は明らかになってきている実感はある。

だからこそ、無理に「編集とは〜〜だ」と決める必要はないのだ。「これも編集なんじゃないか、あれも編集なんじゃないか」と考えて、たまにわかった風になったり、すぐにわからなくなったり、そういうことを繰り返していけばいいのではないか。

僕にはまだ「編集」はわからないけれど、いろんな「編集」を知り、実践していくなかで、徐々に自分なりの「編集」を形作れるようになれたらいいなと思う。